バルコニーや階段

バルコニーや階段の天井は、外壁にくらべて、鉄筋にたいするコンクリートのかぶり厚さが少ないことが主な原因である。古いマンションで外壁にモルタルが塗ってある場合でも、バルコニーや階段の天井はコンクリートを打放した上にじかに仕上げがしてあることが多く、建物が古くなるとともにコンクリートの中性化が進行し、鉄筋がさびてコンクリートの表面に露出してくる。鉄筋が露出する前には、さびた鉄筋に沿ってひびわれが生じてくるので、前述のコンクリートの乾燥収縮を主因とするひびわれとは区別して考えなければならない。この判断をまちがえると、ひびわれの補修をしたつもりでいても、内部の鉄筋のさびが進行して大幅な工事のやりなおしをしなければならない。いずれにしろ、以上のようなひびわれと鉄筋露出の進行具合によって、大規模修繕工事の実施時期が決まるといって過言ではない。この判断ができるのは、おおむね七~八年頃と考えていい。この時期に建物の劣化進行に十分な知識をもっている建築士に建物を見てもらえば、工事のおよその実施時期が決まる。タイル張り建物の注意点。最近の建物はタイル仕上げのものが多くなった。一方、塗料を吹きつけて仕上げている建物もいぜんとして少なくない。これらの仕上げ状態のちがいによって、大規模修繕工事の実施時期にちがいが生じるか、という問題がある。結論をいえば、いずれの場合も「躯体改修」を主体にして工事の実施時期を決めなければならないという点において、大きなちがいはない。

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